報道というのは伝言ゲームの拡大版だな~とあらためて実感される、出来事だったと思う。そして我々は、誰が正しく伝言しているのかを見破る義務があるのだ、ということをニュースを受け取る側としての責任を再認識しました。
東日本大震災の時には、いろんな間違った情報が流れましたが、今回もそれと同じような事を名のある報道機関達がやっているようにみえました。報道機関は、自分達の立場で、ある程度バイアスされた状態で、読者に伝えたいこと(または信じ込ませたいこと)を報道しているのが現実のようです。結局誰が本当のことを言っているのかが、よく分からなかった。海外の報道機関が英文で拡散していたのは、さすがに地位のある人が、あすこまで馬鹿な発言をしないだろうと、良識のある人なら思うような内容でした。
BBCワールドのツイートが凄かったな(下に引用しています)
Osaka mayor Toru Hashimoto describes forced prostitution of women for Japanese troops during WWII as "necessary" bbc.in/17mV3qb
— BBC News (World)さん (@BBCWorld) 2013年5月13日
これによると”大阪市長橋下徹は、’第二次世界大戦中の日本軍への強制された女の人達の売春は必要なもの’と述べる”となります。これを読めば世界中の人が激怒するだろうな、ということはなんとなく想像可能ですね(それを意図して発信されたと邪推することも可能です)。とくに英語しか読めない英語圏の人達には、これが真実として伝わる可能性が非常に高いということです(なんといってもBBCワールドの名前で報道されているから権威があるし英語が事実上の共通語になっているので発信力が強い)。それと海外の報道機関の報道が恐ろしいのは、この発言1点だけをとりあげて報道したあと、その後のフォローアップをしてないように見受けられるところです(報道された側の釈明とかには興味がないということみたいですね)。このBBCワールドの本文の記事で特徴的なことは、他に比べて”強制連行””性的奴隷として扱われた”ということを強調しているように見えるところかな しかもそれを裏付けるとする中国と韓国の人の発言を引用している(これが多分、BBCワールドが伝えたい(または信じ込ませたい)ことなのかな)?日本の報道機関のニュースには、性的奴隷という言葉は出てこず、慰安婦という言葉しか出てきていないように見えます。こうみると、BBCワールドは、今回の大阪市長の発言を利用して、あらためて自分達の主張(旧日本軍が利用したすべての慰安婦は”強制連行””性的奴隷として扱われた”)を世界中に拡散した、だけと考えることもできます。(BBCワールドは、いろんな記事で中国の報道官 Hong Leiという人の言葉を引用して使っているので、中国寄りと見られても仕方が無いのかも(もっとひねくれた見方をすると共産党のプロパガンダのようにも見えるね))
いろいろ見比べてみたけれども、結局私には誰が本当のことを言っているのかが分かりませんでした(その場で発言を聞いているわけではないしね)。 橋下氏に非好意的な立場の人達からは、ツイッターとかで釈明に躍起だなという風にも見えるし、橋下氏に好意的な立場の人達からは、その後の反論を見てよく他の国がやったことについても発言してくれた、という風にも見えます。結局読み手自体がバイアスをかけて都合のいいものだけを抜き出して読んでしまう、ということなのかもしれません(?)。
何が本当に発言されたかを読み解く鍵は、元の記事から報道機関の考えだと思うものを削る、報道機関の主張を裏付けするとして引用されている文面を削る、ことにあるようです。引用されている文面は、それが証明されていない限り事実ではないことに気をつけなければなりません。これをやって、どういう文脈で発言されたものか分からないようになるような報道記事は、信頼度が薄いということになります。この手順を踏むと、上のBBCワールドの記事は大半が書き手の主観によって構成されていることが良くわかります。アメリカのメディアに伝わっている時は、もっとひどくて、見出しで、大阪市長が、第二次世界大戦中の慰安婦、性的奴隷が必要だった、と言った、として報道されていました(yahooに載っていたAPのはこれ BBCワールドの記事を斜めにすっ飛ばして読むと、こういう見出しがつくのは、なんとなく分かる・・ 引用の仕方が似てるからBBCワールドの記事の受け売りのように思える(または同じ人達が書いた))。
毎日新聞のこれが一番信憑性が高そう(余計な論評や引用がないところが分かり易い)。
個人的には、いろんな味付けができると考えることができる最初の発言をしてしまった大阪市長に責任があるのではないか、と思わざるを得ない、というところかな?もう一つ謎なのは、今何故このタイミングで大阪市長という立場で発言したのか、というところ(参院戦が終了してから発言したほうが、お得だったのではないか?市政に関係ないことを言って、何の得になるのか?)。
もう一つ私にとってボーナスポイントだったのは、NHKはこの手の問題を扱うときは殆ど役に立たないということ(まるで報道規制がかかってるかのように表面しか伝えない)が判ったこと、それとあらためて特定の国に何故反日感情があるのかを勉強する機会が得られたことです。ネットで検索したものが、どのくらい信用できるかわかりませんが、いろんな読み物が出てきて非常に興味深いものでした(両極端のものを探して比較して読むと大変おもしろい)。検索に使ったキーワードは”何故 ○○は日本が嫌いなのか?”と”○○ 反日の実態”と”欧米 植民地 愚民化政策”などで、たくさんみつかります(気分を害するものが結構でてくるので、未成年の人にはお勧めできません それと全部を信じ込まないこと(世の中にバイアスのかかってない意見は非常に少ないということに注意すること)信じ込ませたいことの中に、幾らかの真実が含まれているかもしれない、として読むべき 所詮、匿名で書かれているものに真実を訴える力はないのです(このブログも含めてね(笑)) 極端に日本を美化していたり、逆に極端に卑しめたりしているものは疑ってかかるべきでしょう)。あまり過激なのから見たくない人は、”武田鉄矢。教科書で教わらなかった韓国中国の歴史”で探すと、柔らかい感じで武田さんが、台湾の人が書いた本の内容を説明しているものがみつかります(入門編にはこのくらいが、ちょうどいいかもしれません)。あまりにも、いろいろな情報があって、最初は困惑するかもしれませんが・・