QHY5III-178Mで、Sonyの178センサーが、かなり使えることがわかったので、ZWO ASI178MCを購入してみました。
DSSで、校正及びスタッキングをして、Sirilでphotometric color calibration, auto stretch, remove green noiseの順番で処理をした画像を幾つか載せてみました。月の影響もあるのかな?結構月が明るかったけど、これだけ撮れていればいいんじゃないかな?みたいな感じでは仕上がりました。Pixinsightで、もっといい画像処理をすれば、まだまだ見れる感じに仕上がるのか?
Sirilでphotometric color calibrationをしないと、そこらじゅう緑色で全然見れたものではない、です。この処理は、カラー撮影する時は、とても重要。
使った望遠鏡は、いつものようにOrion ST80 on LX200ACF8gps, unguided です(フォーカスがとれないので、50mmくらいの延長チューブをつけてだけど)。
Gainは300で。
M45 : 10s per frame , stacked 87frames
M45: 20s per frame, stacked 90frames
M45: 30s per frame, stacked 90frames
安い屈折式望遠鏡でM45を撮影すると、星の周りの紫色の輪っかが目立つのが良くわかる。
Horsehead nebula: 10s per frame, stacked 90frames
Horsehead nebula: 20s per frame, stacked 90frames
Horsehead nebula: 30s per frame, stacked 90frames
NGC2244: 40s per frame, stacked 54frames
M81: 40s per frame, stacked 45frames
Gain 300で40秒くらいのを、たくさん重ねると、もっといい感じになるのかな?試してみないと。露出1枚40秒以上がいい感じだと思うんだけど。skyglow filterとかも試した方がいいのか?
入門用のカラーカメラとしては充分だよね、これだけ撮れてれば。センサーサイズが小さいからFOVが狭くなるんだけど、それは仕方がないし。でもplate solvingで大体の位置に天体を導入できるから、問題ないと言えば、問題ないし。
こんなに簡単に撮影できるんだね、最近のCMOSカメラは。素晴らしい!星雲も銀河も簡単に浮かび上がるし。Sirilのphotometric color calibrationも凄いし。こんなに簡単に色調整してくれる無料のソフトとか、なかったよね10年以上前。
全体的に白っぽい感じに仕上がってるのが気に入らないんだけど、pixinsightで、どうにかできるのかな、これ?gimpでコントラストを少しきつくすると若干ましになるかな、くらいだよね、出来るのは。
もしくは、gimpでレベル調整を少ししてやるか(シャープマスクも調整すると、もう少しいい感じにはなる)
SirilのAsinHでblack pointとstretch factorを調整しても、良い感じになる。
でも背景からザラザラした感じが消えてないし。不足してるのは、色調整後に更に画像処理する技術なのかな、たぶん。それか、もっと画像を重ねると滑らかになるのか?(合計で30分ちょっとの露出とか天体撮影舐めすぎなのか?) 遠目で見ると、そんなに分からないんだけど。拡大すると気になる。フォーカスがあまいのか?もう少し、きりっとした感じにしたいけど。
ZWO ASI178MCを買おうかどうか迷ってる人の参考になれば嬉しいです。
別の日に撮影したもの、時間かけたぶん渦巻がはっきりしてるような気はする。背景のザラザラの消し方が分かれば、もう少しましになるかも?銀河と星を守るようなマスクを作って背景だけボカスみたいなことをやればいいんだよな、多分。Pixinsightだと、そういうことが簡単に出来るんだろう。
M81: 40s per frame, stacked 180frames
M42,M43,running man nebula:40s per frame, stacked 90frames
horsehead nebula:40s per frame, stacked 90frames
月がすぐ近くだったけど、flaming star nebulaを撮ってみたら、白い光でぐちゃぐちゃになってた。やはり月がすぐ傍にあるとダメみたいです。
M81の画像からstarnetで星を抜き出して、gimpでレイヤーとして読み込み、減算して星だけのレイヤーを作り、星なしのレイヤーで銀河以外を反転選択して、ぼかしてザラザラを減らしたものに、星だけのレイヤーを加算して戻したもの。gimp使用して私の知識だとこのくらいが限界。もっと上手に処理出来る人はいると思う。
2回ほど1時間くらいでUSB接続が切断されるという事があった。カメラ本体のせいなのか、付属のケーブルのせいなのか、ラップトップのポートが悪いのか?取り敢えず、QHY5III-178MについてきたUSBケーブルにして切断が起きた隣のUSBポートにして使っている。
M78:40s per frame, 106 frames stacked
California nebula:40s per frame, 151 frames stacked
やはり合計で二時間くらい撮影しないと、滑らかにはならないみたいです。何が撮影できるか、確認してる段階なので100枚ちょっとで止めている。M78もちゃんと写ってるし。これ古いカメラだと、こんなにはっきりとは撮れなかった。明るさの等級8.3とか書いてあって、かなり暗めなんだよね。これが撮れないと、等級10以上とかに挑戦できないから目安になる、いい天体だと思うんだけど。
H-Alphaで撮影してみたもの(前回試した時は焦点が甘かっただけみたい。今回は上手く出来た)。
Horsehead nebula with H-Alpha filter:Gain500,120s per frame,27frames stacked
Horsehead nebula without filter: Gain 400, 15s per frame, 270 frames stacked

この二つを合成できる方法がみつかれば、星雲がくっきりと浮かび上がるように成る筈、’たぶん。
H-Alphaでも撮影出来る事が分かったから、multi narrow band filterというのを入手してみよう。かなり高い筈だけど、星雲が擬似カラーで、はっきりコントラストが出て撮影出来るのは嬉しいよね。1.25inchのH-AlphaとO-iiiのdual band filterが$100以下でZWOから売られてるから、そういう事をやってみたい人の入門用としては手頃かもしれない。3つ以上複合してるのは、$700以上するものもある。。
光害用のフィルター(Orion sky glow filter)を使っても、とくにコントラストが上がるとかそういう事はなかった。私が住んでる所は、特に空がオレンジ色っぽい感じではないから、たぶん役に立ってない光害用のフィルター。結構高かったのに。。
Gainを落として、120秒露出したのを重ねるとどうなるのかも試してみたい(Gainを落とすしか長時間露出できないし)。ノイズが減るのかとか、余計ひどくなるのかとか、確認してみたいし。
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ここからは、LXD55 + Meade SN6で撮影した画像
少し雲が多かった日で、いいframeを選択するのに時間がかかった(半分くらい捨てた)。
Horsehead nebula: gain 400, 10s per frame,327 frames stacked
こちらの方がOrionST80で撮ったのより馬の首がくっきり出てるかな?あと、星の周囲の紫色の光の輪っかが無い(おそらく、無い方が正しい)。でも、背景がざらざらしてるのは相変わらず。見栄えを良くするためには、もっと光のデータを増やす(合計露出時間を増やす)か、少し複雑な画像処理を覚えないと、ダメみたいです。星雲だけ選択したり、星だけ選択したり、背景だけ選択とか。
後はpixinsightみたいな有料のツールを使うかだよね。ノイズ消し専用の有料のツールを使うか。もしくは、Sirilに似たような機能が実装されるまで待つか。
Merope in M45, gain 400, 20s per frame, 178 frames stacked
Cone nebula, gain 450,10s per frame, 360 frames stacked
M81,gain 450, 10s per frame, 350 frames stacked
少し減光補正に失敗している。ST80と比べると、これも星の周りに余計な紫色の輪っかが無い。それと、ゲインを450にして10秒で撮影した方がザラザラ感が減ってる気がする。
紫色の輪っかを減らすには、EDガラスの屈折式望遠鏡を使うか、画像処理で消す、で対処できる筈、たぶん。
校正処理とかカラー撮影の色調整とかが、ちゃんと出来るようになったので、気が向けばもっといい装備で撮影してみようと思う。でも、お金かけるとキリがないからな、こういうのって。フォーカルレングスが400mm以下のEDガラスの屈折式望遠鏡を1つか2つ、もう少し大きなセンサーサイズの冷却式カメラを買って、多分終わり。
Youtubeの動画に天体撮影にお金をかけ過ぎて(もっといい性能の装備が欲しくて短期間で後先考えずに購入したらしいこの人は)借金をしてしまったという貴重な話しをしてる人がいたので、のめり込むとどういう風になるのかの参考になるかもね。
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Astro-tech AT 60ED で撮影 Gain250 で一枚120秒
Merope in M45: Gain250, 120s per frame, 27frames stacked
Horsehead nebula:Gain250, 120s per frame, 30frames stacked
Cone nebula:Gain250,120s per frames,30frames stacked
Gain250で1枚120秒で重ねた方がザラザラした感じが背景から抜けているような気がする。それとEDガラスのレンズで星の周りの紫色の輪っかが消えてる。これが一番いい設定かも?ただし、120秒だとamp glowが大きく出て、darkで差分を取っても、うまく消えない時があるんだけどね、このカメラだと。
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Orion Star Blast 4.5で撮影したもの
M81: Gain450, 15s per frame, 192 frames stacked
Horsehead nebula: Gain450, 15s per frame, 152 frames stacked
M42,M43,running man nebula: Gain450, 10s per frame, 190 frames stacked
M45: Gain450, 15s per frame, 90frames stacked
上下が白っぽくなってるんだけど、何故か良く分からない。切り落とせばいいんだけどね。
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LX200ACF8gps
Medusa nebula: Gain450, 20s per frame, 275 frames stacked
NGC2403: Gain450, 20s per frame, 285 frames stacked
plate solve後の同期の確度が悪くて、導入位置が少しずれてるけど、一部写ってるので、今回はいいことにしておこう。センサーサイズが7.43mmx4.99mmだから、ある程度上手くいったと思えばいいのか?何故同期がうまくいってないのか調べないとだけど。設定していたフォーカルレングスが1160mmで、photometric color calibrationが出してきた値が1183mmで、この辺に問題があるのか?